インタビュー

世界中の90%がカモだったとしても | さくら_yaさんインタビュー

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2人のお子様がおられる主婦トレーダーのさくら_yaさん。
今回はそのさくら_yaさんから、FXについての難しさや心構え等、厳しい観点でコメントをいただきました。

【メディアも商売】

―――現在メディアではよく、「1か月で10万円が100万円に」のようなFXのキャッチコピーを目にします。
このようなキャッチコピーがきっかけでFXを安易に始められる方が多いかと思いますが、さくら_yaさんは現在のメディアの実態についてどのようにお考えですか?

さくら_yaさん

経済として考えれば、メディアのように宣伝する側としてはそのようなキャッチコピーにより注目され見てもらう、読んでもらう手段のひとつなので仕方ないと思います。
あとはそれを受ける一般購買者、視聴者がどう判断するか、です。

同じお金を稼ぐのにバイトや就活では、時給は?勤務地は?福利厚生は?と調べるのに対して、FXは調べたり疑うことなく安易に始められるイメージがある。
でも誘惑的なキャッチコピーで始めてみてもその先に初歩的な知識や技術が必要なことに誘導できる内容であるのならば、ある程度は許せるかなとも考えています。
メディアも商売だと捉えているので。

 

―――メディアも商売、おっしゃる通りだと思います。
それではさくら_yaさんが知っておられるメディアの実態と、今後の在り方についてご意見を頂けますか?

さくら_yaさん

実は数年前に「ダイヤモンドZAI」様より取材を受けて 個人投資家紹介的な記事で両開きで載せてもらったことがあります。
その時のライターさんとはまだご縁を頂いておりまして、別の機会にお話をしたことがあるのですが、今はFXの手法紹介みたいな本はあまり売れないそうです。

それはネットの方で私のブログのようなSNS等を利用する人が増えてきたことも原因のひとつのようです。

それでもメディアとしては自分のところの雑誌の売れ行きをあげなければ、雑誌自体が打ち切りになったり広告収入が減って企画を立てられなくなってしまったりするわけです。テレビだとしても視聴率が無いとスポンサー収入が入らなくなる、それと同じです。

以前取材を受けた際に同行してきたカメラマンさんも、会話中に「どの方向から私の写真を撮ったら雑誌受けするのか、よく考えておられるんだなぁ」と思うところがあり、メディア側の真剣さを感じさせられる場面もありました。
もっともそれは商業誌としての姿勢として当然のことであるので読者を増やすイコール雑誌購入者を増やすためには「10万円が100万円!」というキャッチコピーも仕方ないかと思ったりするのです。

実際に努力をされたうえで力を付けた人なら100万円に増やすことも不可能ではないのですから。
ですから私は、メディアによりその情報を受け取る側が、「FXは知識を得るために勉強をする」という“覚悟”がいるという事が、少しずつでも浸透していけばと願うのです。

私の周りにはFXや株取引などを始めようとする人がたくさんいました。
そんな人達が、ネットからでもいいのでFX Real Reportさんのようなサイトで多くの失敗例に触れる事により、しっかりと自分なりの覚悟を持って改めてFXを始められるようになればと願っています。

ただ、それにはまだまだ時間がかかるとは思いますが。

 

【自分の手法をみつけるのは大変】

―――人の手法ばかりに頼って取引をするトレーダーは多くおられますが、なぜそのような方は自分の手法を見つけようとしないのでしょうか?

さくら_yaさん

自分の手法をみつけるのは大変だと思います。

私も最初はいろんなテクニカルツールを教科書的な利用方法からはじめましたし、いろんな手法が紹介された本も沢山読み真似してみました。
が、それらをやってみたことで少しずつ自分なりに工夫できることを知り、自分なりにテクニカルを応用してみた結果が各トレーダー個人が編み出した手法だと思います。

FXの目的はオリジナルの手法を編み出すことでなく、人まねでもよいので利益を得ることです。

以前私が参加したことのある「 FX友の会」世話人の奈那子氏が次のように言っておられたことでもあるのですが、
「勝ち組みに学ぶ」
私もこの考えと同じくこれが一番楽で手っ取り早い勝者への道かと思ったりしています。

そのため、勝者の手法を真似して自分が利益を得られるようになればよいのではないかと考えています。

 

―――さくら_yaさんは世界情勢にも目を向けてトレードの参考にされているかと思います。
ですがその場その場の感覚や思い付きで取引きされるトレーダーもおられます。
なぜそのような方は勉強や検証もせずに取引をしようとするのでしょうか?

さくら_yaさん

世界情勢などの情報も見たほうがいいというのは、トレードを続けることで気がつくことだと思うので、初めてだったり慣れないうちはそのこともわからないのも仕方ないかなと考えています。
つまり利益を得られるようになってくると、世界情勢などが関連してくることに気がついてやっと外に目を向けるようになるのかもしれません。

 

【FXで失敗する時は逆指値を指さなかった時】

―――さくら_yaさんのFXでの大きな失敗談があれば教えてください。

さくら_yaさん

FXで失敗するときは、必ず逆指値を指さなかったときです。
つい指値注文したあと、まさかこの値まで来ないだろうと考えて放置していたら、その値に一瞬でもささったものの思う方向と逆に動き損失拡大。
ということが多いのでとにかく逆指値!にうるさくなってきました。

またFXの前は個別株をやっていたのですが、そのときはテクニカルもわからないままにストップ安にかかって2日間買い戻しができなかったことがあります。
それが最大の失敗です。

なお、このときは思いっきり初心者で月5千円払って上がりそうな銘柄をメールでもらうような投資顧問に頼り切りだった結果でストップ安にハマってしまったので、この損失を取り戻そうとして再度入金しましたが、これが勉強し始めたきっかけだったりします。

 

【逆指値のありがたさは「指せばよかった」という経験をしないと分からない】

―――さくら_yaさんはブログで、「必ず逆指値を指す」と綴られていますが、逆指値を指さない、または指せない方もおられます。
さくら_yaさんはそのような逆指値を指さない、つまり損切りをしない方をどのように思われますか?

さくら_yaさん

こちらも「逆指値」のありがたさは、「逆指値を指せばよかった」という経験をしないと難しいかもしれません。
それとFXはいかに「損切り」ができるかも重要であると考えています。

 

【「休む」重要性に気が付く事は難しい】

―――負けていても毎日チャートに張り付いて損失を出し続けるトレーダーは後を絶ちません。
さくら_yaさんはブログで、「壁にぶつかった時は休む」と綴られていますが、なぜ負けている方に限ってそのように「休む」という事をしないのでしょうか?

さくら_yaさん

最初は「休む」ことが難しいのではないでしょうか。
損失を出してしまうと、それを取り返そうとなお画面に張り付いてしまうのも仕方ないと思います。
私も最初はそうでした。

でも、そういうときのトレードは焦ることでより損失拡大してしまうのですよね。
それを実体験し、その焦ったトレードをしなければ資金を残すことができ、より確実なポイントでトレードできるということを自分で実感できないと難しいと思います。

また、人によってはその失敗を何度も経験するかもしれませんが、失敗したあとで実際に休んでみる経験をすることでやっと「休む」重要性に気がつくのかと思うので、そこに至るまでが心理的にとても難しいのだと思います。

 

【自分から調べたり学ぼうとするのが苦手な人はFXに向いていない】

―――他に、さくら_yaさんが思う、「こういう人はFXに向いていない、辞めといた方がいい」というのがあれば教えてください。

さくら_yaさん

いろんな方を見てきたので、一概に向いていない方というのは思いつきませんが、ただ一つあるとしたら
「自分から調べたり学ぼうとするのが苦手な人」
でしょうか。

お店に行って買い物して、そのお釣りをもらうために足し算引き算を勉強してきます。
さらに、もっと個数を多く買い物するためには掛け算割り算が必要になってきます。
生活のために、人によっては1次方程式レベルだったり、微積分レベルの勉強が必要になってくる人もいるかと思いますが、お釣りをもらうためなら誰でも必死になって足し算引き算掛け算割り算くらいまでは覚えようとすると思うのです。

FXも考えようによっては、どう考えてもここらから下がるだろうというローソクの足型の組み合わせだったりチャートの形のシグナルやサインが出てくることがあります。
欲を出さず、それだけを狙ってトレードするのであれば、小さくても利益を出せると考えています。

これが算数数学でいうところの掛け算割り算レベルだとして、FXでも掛け算割り算レベルで利益を得られるのなら、知識と技術を身に着けるために気持ち一つで勉強を始めると思うのです。

基本の基本を勉強するのが、九九を暗唱して百マス計算するようなものだとしたら、です。
大人になってみれば大したことでなくても、小学生の低学年にとっては九九を覚えるのも一苦労だと思うのです。
それと同じかなと思ったりします。

ただ、大人になってからまた勉強するのが結構嫌な人も多いではないですか。
でも新しい仕事についたり職場だったりすると最初は勉強することは厭わないのに、同じお金を得る手段であるFXでは勉強しない。
ここなのですね。

これを乗り越えて、「FXは最低限の勉強が必要」と割り切り理解できるなら利益は得られると思います。
お金を稼ぐのはどんな仕事でも最初は勉強からなのですから。

ということで、大人になっても勉強しなければならないということを分かってもらえない方は、どこか他で働いたほうが良いと思います。

 

【世界中の90%がカモだったとしても】

―――それでは最後にさくら_yaさんからFXを始めようとされる方、そして現役のトレーダー達に向けてメッセージをお願いします。

さくら_yaさん

周囲にも多いのですが、FXにたどり着く方って現生活上で必要に迫られる状況があったのにも関わらず他での収入を増やす、得ることが難しい状況の方が多いように思えます。

すでに日中に他の仕事をしているが本業の収入が少ない方、病気育児介護など何かしらの理由で他の方のような収入を得るのが難しい方、または震災災害の被災者などで今の収入だけではとても生活の建て直しが難しい方など。

どうしても生活に対して収入が足りない、増やす道が他にない、となった末に、株やFXなどの安易なキャッチコピーに惹かれて始める方も多いのではないでしょうか。
中には「どう見ても職安に行け」というような方もいらっしゃいますが・・・(苦笑)

そんな方々のことを思うと、例え最初のとっかかりが安易なキャッチコピーだったとしても、ちゃんと知識を得ていこう、勉強をしていこう、と自分なりの努力をされる方ならば応援していきたい、という思いで私はブログを書いています。

先ほどお伝えした通り、皆さん生きていくうえで掛け算割り算くらいまでは自然と身についています。
それと同じようにFXの掛け算割り算レベルの技術を身につけてトレードしよう。なのです。

そんなことに多くの方が気がついてくれると嬉しいのですが・・・。
と思いながらブログを書いています。

ですが90%の人がカモとなるのがこの世界です。
せめて世界中の90%がカモになっても、地道に努力を重ねられる人であれば勝者側であってほしいなと私は思っています。

 

―――さくら_yaさん。本日は貴重なお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

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