外国為替証拠金取引(FX)への投資名目で現金をだまし取られたとして、福岡、熊本両県の13人が資産運用会社「日本ヴェリータ」(東京)などを相手取り、計約7300万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁久留米支部に起こした。提訴は先月16日付。
同社を巡っては、福岡県警が6月、同社福岡支店(福岡市博多区)などを金融商品取引法違反(虚偽告知)容疑で家宅捜索し、捜査を進めている。
訴状によると、13人は同社従業員らから2011年2月〜今年3月ごろ、「いい投資の話がある。3年後には必ず元金は返金される」などとうその説明をされ、約50万〜2300万円を出資したが、配当が滞り、元本も返ってこなかったとしている。
毎日新聞 2015年12月12日掲載分
【日本ヴェリータ FX詐欺容疑、会社社長ら逮捕=1都8県で8億円以上集金か】
外国為替証拠金取引(FX)の運用を装い、顧客から現金をだまし取ったとして、福岡県警生活保安課は18日、詐欺などの容疑で、東京都中央区のファンド会社「日本ヴェリータ」の社長上鵜瀬良久容疑者(53)=東京都目黒区鷹番=ら3人を逮捕した。
同課は、3人の認否を明らかにしていない。
同課によると、顧客の8割は65歳以上で、東京、愛知、山口など1都8県の122人から計8億2000万円の資金を集めていたとみられる。被害実態の解明を進める。
逮捕容疑は、2011年12月から15年2月までの間、福岡県久留米市の50代の女性ら3人に対して、FXで運用しないのに、「出資金は海外の証券会社で運用し、1%を毎月配当している」などとうその説明をして、計約1000万円をだまし取った疑い。時事通信ニュース 2016年1月18日掲載分
【別の顧客からも3500万円、FX詐欺疑い社長ら再逮捕】
外国為替証拠金取引(FX)への投資をかたり、出資金をだまし取ったとして、詐欺と金融商品取引法違反(虚偽告知)の疑いで資産運用会社「日本ヴェリータ」(東京)社長、上鵜瀬良久容疑者(53)=東京都目黒区=ら3人が逮捕された事件で、福岡県警は8日、新たな詐欺の疑いで3人を再逮捕した。
他の2人は元福岡支店長、福成和幸容疑者(46)=福岡県春日市=と元営業員、内山直之容疑者(34)=福岡市博多区。県警は3人の認否を明らかにしていない。
再逮捕容疑は、共謀し、平成23年12月~15年4月ごろ、運用の意思がないのに「ちゃんと運用しているので安心して」などと顧客3人に虚偽の説明をしてFXへの投資を勧め、計約3500万円をだまし取った疑い。
上鵜瀬容疑者らは、別の顧客3人から計約1千万円をだまし取ったとして1月18日に逮捕されている。
産経新聞 2016年2月8日掲載分
記事にもあるように、日本ヴェリータは2015年11月、福岡、熊本両県の13人からFXへの投資名目で現金を騙し取られたとして訴訟を起こされています。
その後2016年5月に裁判所は会社側に対し7000万余りの賠償命令を下していますが、被告らは裁判にも顔を出さず、答弁書や準備書面も提出しなかったそうです。
福岡地方裁判所久留米支部の太田雅也裁判官によると「事実を争うことを明らかにしていないため、認めたものとみなす」として判決を下したとのことです。
今回の事件は、逮捕された上鵜瀬良久(かみうせ よしひさ)氏が経営する日本ヴェリータと、その他日本ヴェリタス、ギフタージャパンといった複数の会社が関係しています。
どれも事実上の経営者は上鵜瀬良久氏でターゲットは当然のように高齢者がメインとなっています。
ターゲットの騙し方として「運用しているので安心して」と虚偽の説明をした、とありますが、実際の手口はもう少し工夫されています。
日本ヴェリータに大金を騙し取られた経験のある久留米市の女性によると、2014年の3月に100万円の投資でスタートした後、約束通りに配当金が支払われたために信用してしまい、さらに600万円あまりを投資してしまったと言います。
ここで、「約束通り」とありますが、実際に支払われた配当金は”7000円が計2回”だけだったそうです。
結果的にこの女性は14000円と引き換えに700万円失った計算になりますが、これは決して珍しいケースではありません。
「不労所得」を臭わせた謳い文句に魅力を感じてしまう方は少なくありませんし、さらに大金ではなく毎月7000円程度という配当額がより現実味を持たせます。
おまけに「元金は必ず返金される」と約束されてしまえば、このような詐欺事件を認識していない方なら信用してしまっても不思議ではありません。
FXで儲け話を持ち掛けられるという事は、勧誘側が裏で利益を得るための謀をしている可能性が十分にあるという事を認識しておかなければいけません。