外国為替証拠金取引(FX)で成功している有名な投資家と連携することで高い利益を得られると偽り、運用資金をだまし取ったとして、愛知県警は13日、詐欺の疑いで、本籍名古屋市緑区、自称自動車販売会社社長星野豊容疑者(52)を逮捕した。
逮捕容疑では、昨年1月下旬ごろ、神奈川県南足柄市の会社役員の女性(46)に「100万円を1カ月で2億円以上にした『ミスターブレイン』というカリスマ的なFXトレーダーが仲間。年間24%の利息を必ず渡せる」などとうそをつき、運用資金名目で500万円を自分名義の預金口座に振り込ませたとされる。「納得できません」と容疑を否認している。
県警によると、星野容疑者は2013年9月から翌年8月に、愛知、岐阜両県や東京、大阪などの少なくとも46人に、元本保証や高配当を約束。1口100万円での投資を持ちかけ、計1億4190万円を集めていたとみられている。星野容疑者が実際にFXで資金を運用していた実績はなく、元本の返金などを求めて民事訴訟を起こしている出資者もいる。
星野容疑者が被害者に説明した「ミスターブレイン」と呼ばれる投資家は国内に複数存在。うち1人は星野容疑者と面識があったが仕事上のつながりはなく、星野容疑者が資金を集める際に名前などを利用していたとみられている。
中日新聞 2015年8月13日掲載分
記事にある「ミスターブレイン」は世界的にも複数存在する名の知れた投資家を指しますが、その素性は明らかにされていません。
FX業界でその名前が知られるようになってからは、勝手に「ミスタ―ブレイン」を名乗る詐欺被害も複数寄せられています。
今回逮捕された星野豊氏は、その「ミスタ―ブレイン」が仲間であるという嘘の情報を与え、顧客を増やし高額な投資を持ち掛けたと報道されています。
さらに「税金はろくな事に使われていない、自分は世直しをしている」等の内容で勧誘を続けていたそうです。
その後、2013年ごろから元金が返金されないケースが相次ぎ、投資の実態が無い事が発覚し逮捕に至っています。
返金が滞った当初、「世直しで反原発にかかわり、公安に目を付けられ口座を凍結された」「海外で持ち逃げに遭った」などと弁明をしていたそうですが、全て時間稼ぎのポーズであったと見られています。
名古屋地裁岡崎支部の入江裁判官は2016年6月10日、星野氏に対し「常習的で悪質。被告は一貫して詐欺の犯意を否認しており、反省の態度がみられない」と指摘し、懲役5年6月(求刑・懲役8年)の判決を言い渡しました。
今回逮捕された星野氏は、「日本ベスト」という20年以上続くネットワークビジネス会社の成功者であった事が判っています。
「星の会」というセミナーなども主催し、日本ベスト会員の中では有名で、ファンも多かったそうです。
ネットワークビジネスの成功者と聞くと華やかで豊かな印象がありますが、なぜ星野氏は今回このような犯行に及んだのでしょうか。
動機については明らかにされていませんが、いずれにせよ今回の投資詐欺の手口としては決して珍しいケースではありません。
星野氏が逮捕された後も、その仲間が勧誘をし続けているとの口コミ情報も入っています。