宮崎銀行が、都城営業部に勤務していた30代の男性行員が顧客から預かった資産を私的に横領した疑いがあるとして、調査を進めていることが29日、関係者への取材で分かった。額は1億円以上に上るとみられる。同行は31日に全店支店長会議を開いて事実関係を報告、週明けにも調査内容を公表する見通し。
(以下朝刊より書き起こし)
複数の関係者によると、男性行員は投資信託や保険を販売する預かり資産の業務を担当。その預かり資産を解約した金を使い込んだ疑いがあるとみられる。23日朝、宮崎市佐土原町内に止めてあった車の中で死亡しているのが見付かった。車内には遺書が残されていることから、自殺とみられる。遺書には顧客の資産を、外国為替証拠金取引(FX)など私的な投資に流用した趣旨の内容も書かれていたという。
男性行員はこれまで都城営業部のほか、延岡営業部などで勤務している。同行は現在業務上横領容疑での刑事告訴も視野に事実関係を調査しているが、男性行員が死亡しているため、不明な点が多いと言う。同行は「事実関係の調査を進めている。現段階で話すことはできない」としている。
宮崎日日新聞 2015年5月30日掲載分
今回の事件は2015年5月21日、顧客の1人から銀行へ資産運用についての問合せがあったことから始まります。
銀行側で確認したところ問い合わせた顧客の金融商品が解約され、口座から約2900万円が無くなっており、担当者である窓口営業係長の36歳男性行員が口座から引き出していたことがわかったと言います。
男性行員は問い合わせがあった日の夜から行方が分からなくなり、5月23日朝、車の中で死亡しているのが見つかりました。
記事にもあるように車内には遺書が残されており、FX投資に流用した旨の内容が書かれています。
その後の調べで、別の顧客の口座からも約1億2100万円を引き出していたことが分かり、顧客2人の被害額は計1億5150万円に上るとの事で、この金額は過去宮崎銀行で起きた着服の中でも最も多い額だそうです。
今回の事件について、死亡した行員の名前は明らかにされていません。
遺書に残された内容が真実であれば、FXによる失敗で損失が膨らみ、後戻りが出来ない状況だったのかもしれません。
現在も投資がらみの事件は後を絶ちませんが、今回のケースはその中でも最悪の結末だったと言えます。
家族を残し自ら死を選ぶ他に道は無かったのでしょうか。