インタビュー

日本人程FXに向いていない人種はいない | 井上さんインタビュー

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今回インタビューに協力いただいた井上さんは、会社経営をしながら兼業でトレードをされているそうです。
そんな井上さんからFXについての厳しい側面についてコメントをいただきました。

【トータルで負けてしまう人は手法を貫き通すことができない】

―――井上さんはブログ内で“手法1割メンタル9割”という内容の記事を引用されておられますが、手法探しにたくさんの労力を割いているトレーダーも多くおられます。
井上さんは手法探しばかりにこだわるトレーダー達の事をどのようにお考えですか?

井上さん

手法1割メンタル9割というのは、どんなに良い手法があったとしてもそれを完璧に使いこなせないと意味がないから、まずはメンタルを鍛えるべきだとういう意味でよく使います。
スキャルピングは別として考えていただきたいのですが、勝率60%もある手法でも2連続で負ける確率は30%、3連続で負ける確率は15%、5連続で負ける確率は1.875%あります。
100回トレードをしたとしたら、連続で負けてしまう事は普通によくある事です。

トータルで負けてしまう方というのは負けが続いた時に、最後までその勝てるはずの手法を貫き通す事ができない為、負けてしまいます。
なので、FXでは手法1割メンタル9割という様な説明をよくしています。

手法探しに労力を割いている方、勝てていない方については、まずはメンタル面を鍛えるべきです。手法というのは勝つための物ではなく、利益の底上げをする為のものだという風に私は考えています。

私の経験からですが、私も色々な手法を試しましたが。
理論上勝てる手法であればどんな手法を使用してもトータルでは勝てました。

このトータルというのがポイントです。
その手法と相場が合っていない場合にはすぐにプラスの結果にはならない事がほとんどです。

極端な例ではありますが、強烈な上昇トレンドの時に逆張をしたら負けやすいというのは誰でもすぐに理解できると思います。
しかし、損失よりも利益を多く取れるのなら逆張りを続けてもトータルでは勝てます。

でも強烈な上昇トレンドの時に逆張りをするよりも順張りでトレードする方が利益は多く取れるというのが事実ですよね。
極端な例ではありましたが、私にとって手法とはその程度のものです。

手法探しをするのも良いとは思いますが、勝率、利益と損失からトータルで勝つための計算をして、理論上トータルで勝てる計算が成り立つ手法を1つ持っていれば勝てるはずです。
後は自分の資金管理能力で勝ち負けが決まるのがFXの世界です。

10回のトレードをして4勝6敗でも毎回のトレード時に20pipsで利益確定、10pipsで損切をすればトータルでは+20pipsという事です。
実際は10回程度のトレードでこの様にうまくいかない時が多々ありますので、辛抱強くルールを守りトレードをするだけです。

 

【日本人程FXに向いていない人種はいない】

―――ブログの方で「投資の世界では常識人程、負けています。」とコメントされておられますが、その理由について詳しく教えていただけますか?

井上さん

常識人程負けてしまうというのは凄く簡単な話です。
有名な話で知っている方が多いと思いますが、日本の義務教育は集団生活をする為に適した教育方針だからです。
逆に海外の教育方針では集団というよりも個人の能力を発揮できるような場となっています。

なにが言いたいのかというと、日本と海外の人では子供の時から学んでいる習慣が違うから常識が違うという事です。

よく海外の人が日本人の驚く所としてあげていますが、日本人はバスに乗るにしても、電車に乗るにしてもちゃんと整列して順番を待っているという事に驚いています。

そういう些細な事からして海外と日本では常識が違います。
なので、日本の常識人程、世界から見たら常識がずれているという事なのです。

FXの世界では日本人はほどんど負けています。
最近の調査でわかった事らしいですが、FXの世界で動いている約60%のお金は日本人が動かしているらしいです。
その60%も動かしている日本人の90%以上の人が負けています。

この結果から言える事ですが、日本人程FXに向いていない人種はいないという事です。

日本では未成年はFXはできません。
大人の方でもFXをしているという方が周りにはあまりいないと思います。

イギリスでは未成年でもFXができます。
普通にお小遣い稼ぎでFXをしている子供がいます。
子供の時からFXができ、しかも勝ち続けて大人になる子もいます。
そんな子供が大人になって本格的にFXで稼ぎだしたとしたら、それはFXのエリートですよね(笑)

アメリカではFXでお金を稼ぐ人はとても才能がある素晴らしい人と誉めてくれますが、日本では安定していないし、ギャンブル扱いされて仕事としては見てもらえないのがFXです。

日本人がFXに対してマイナス思考な事ばかり考えているという事例はまだまだ言えますが、キリがありませんのでこの辺にします。
こんなにもFXに対してマイナス思考な環境の日本でFXで勝とうと思ったら、簡単には勝てないと思いますし、実際にほとんどの方が負けています。

本来はシンプルにトレードすれば良いものを、勝つために独自の考え、工夫をしてしまい、逆に負ける為にお金と時間を費やしています。
常識人程負けてしまうというのは日本での常識が身についてしまっている方程負けるという事です。

 

【FXの広告は苦労する点、本当に気を付けないといけない点を記載していない】

―――「海外とは異なり、国内の業者はトレーダーに負けてもらわないと儲からない」とのことですが、なぜそのような仕組みであるのかを教えてください。

井上さん

国内でもくりっく365等に登録している業者様なら問題ないとは思いますが、基本的にはノミ行為をしている為、証券会社は顧客が負けないと儲からないという事です。
海外では顧客から注文が入ると証券会社がその注文を代行して通すのが証券会社の役割ですが、日本の証券会社では顧客からの注文を証券会社が請け負っている所が多い為です。

証券会社が注文を請け負うという事は顧客が負けないと利益につながらない為、証券会社が顧客に勝つ為の情報を流す事はありえませんよね?
実際に私はくりっく365に登録されている証券会社、くりっく365に登録されていない口座と両方持っていますが、日本の業者から有益な情報をいただいた事はありません。

又、FXは儲かるという様な広告をネット上等でよく見かけますが、広告を出す事自体は悪い事ではないと思います。
しかし、その広告をクリックして開いた時に簡単に儲かるという事ばかりピックアップしてあり、苦労する点、本当に気を付けないといけない点を記載していないというのはとても問題があると思います。
有名な企業が運営しているFX業者もたくさんあります。
そういう企業が運営しているから安心だし、説明を読んでみてもとても簡単そうだという印象しか受けないから気軽に始めてしまう方はかなり多いと思います。

企業側だけを責めても仕方がありませんので、FXを始めるにしても、何か他の事をしてお金儲けをするにしても、始める前にはお金を失っても仕方ないと思えるくらい調べてから始めて下さい。

何も調べずにお金を失うのと、自分で納得のいくまで調べた上で失くしたお金では意味合いが全然違いますので、今後の人生に活かせるようなお金の使い方をしなければお金儲けは上手にならないと思います。

 

【コツコツ負けている方は資金がなくなるまでコツコツ負ける】

―――井上さまはブログ内で「恐らく、コツコツ負けている方は資金がなくなるまでコツコツ負けると思います。」と綴られていますが、その理由を詳しく教えていただけますか?

井上さん

コツコツ負ける方というのは大きくも勝てないし、大きくも負けない、自分を大きく変える事が苦手な方が非常に多いと思います。
何かを変えようと思い実行する時に少しずつ変わろうとしても結果は全然変わっていないという事です。

ダイエットをしている方を例にあげるとわかりやすいと思いますが、ライザップにお願いした場合には炭水化物はほとんど食べられない食事制限から、筋肉トレーニングといった風に痩せる為に大きな変化を自分に与えています。

しかし少しずつコツコツダイエットをするという方に限って、少し食事の量を少なくするだけだったりって事が多いと思います。
結局は痩せられず、知らず知らずの内に今までと同じ食事量をとっていると思います。

FXでもコツコツ負けている方が手法を変えたり、ルールを変更するとかいった事を聞く事がありますが、結局大きな変化があるわけではなく、とても小さな変化しかないからです。
とても悪い事を言いますが、お金を大事にしすぎてコツコツ負ける方は、一度大きな金額を負けてみるくらいの体験をした方が近道かもしれません。

負ける気でトレードして大勝する方がいるくらいですので、そこから何か得られる事があるかもしれません。

 

【リスクを負わない人には稼げる案件は回ってこない】

―――また「お金を稼ぎたいけど、ちゃんとした会社で絶対信用できる事じゃないとやりたくない」と言ったご友人の方について、“ある程度のリスクを背負わないと絶対に稼げない”とコメントしておられます。
ただ、そのような考え方はごく一般的なようにも思えるのですが、なぜ稼げないとお考えなのでしょうか?

井上さん

これはとても簡単です。
誰でもリスクを背負う事はしたくないと考えるから、リスクを背負った方がライバルが少ないので稼げるという事です。
そして一般的な事をしても大多数の人は興味を持ってくれないから稼げないという事です。

但し、リスク管理が間違っていると自分が破産してしまうので、そこだけは注意して実行すれば良いと思います。

大企業が儲かる仕組みの一つとして新しい事にチャレンジできる事も含まれています。
リサーチ力が個人とは比べ物にならないという事もありますが、新しい事業が失敗しても他の事業で補える為、リスク管理も個人と比べると遥かに楽です。

一流のメーカー、ブランドは毎年新しい事にチャレンジしています。
その新しい商品等に消費者は興味を持ちお金を使います。
どこかのヒット商品を真似して製造し販売する会社もありますが、そういう会社はほとんどの場合が薄利多売です。

労力の割には利益が少なく苦労するケースが多いという事です。
個人がリスクも背負わず、信用できる様な稼げる案件があったとしてもその案件が自分に回ってくる可能性というのは非常に低い話です。

運良くそういう案件が回ってきたとしてもリスクを背負いたくないという人は、言われた事だけをするはずですので、その案件1回きりで終わると思います。

リスクを背負える人は何か爪痕を残そうと努力しますので、失敗する事も多々ありますが、それが相手に伝わった場合には、今後も他の案件を回してもらえたりします。

 

【FXに向いている人はいない】

―――他にも「このような方は稼げない、FXに向いていない」というのがあれば教えてください。

井上さん

私はFXで天才トレーダーという様な人と出会った事がありません。
なので、現段階ではFXに向いているという人はいないと思っています。
正直な話、全員FXに向いていないと思います。

FXで勝っている人というのは、皆さんそれぞれ方法が違うだけで、勝つ為に必要のないものを捨て、勝つ為に必要なものだけを残す事ができた人だと思っています。

かなりぼんやりとした説明で申し訳ないのですが、人の数だけ勝つ為に必要な事は違うと思います。
これが一番難しいかもしれませんが、FXでは自分の事をよく理解する事が一番大切なことだと思います。

本来はここでエントリーするはずだったけど、違うところでエントリーしてしまい負けてしまったという方、非常に多いと思います。
どうして本来のエントリーポイントまで待てなかったのかを聞くと、勝てると思ったとか、ポジポジ病が治らないとか言う方がいますが、そういう回答をされても他人の私がそういう悪い癖を治してあげられるはずがありません。

本人が自分の事をきっちりと理解し、それは悪い事なんだと理解しない限りは治らないと思います。
すごく当たり前の事を言いましたが、自分の事をよく理解できていないとこういう簡単な事程、治す事は難しいです。

自分の癖を知らないのに治せない、自分の癖がわかっていても治せないのと同じ事です。

 

【勝っている猫が原因で多額の損失に】

―――井上さんのFX経験の中で最大の失敗談を教えてください。

井上さん

FXの中での最大の失敗はトレード画面のままにしてパソコンを放置して寝た事です。
トレード画面のままパソコンを放置するという事はよくしていたのですが、最大の失敗をした時は朝起きると物凄い金額を負けていたという事です。

ポジションを持っていた訳でもないのに朝起きると、80pips程負けていました。
しかも、当時注文していた注文枚数の3倍にもあたる枚数の注文が入っていました。

原因はすぐにわかったのですが、飼っている猫がマウスかキーボードかはわかりませんが、踏みつけたのだと思います。
ここで損切ができずにずっと持っていて負債が増えたとかいうエピソードなら少しは面白いのですが、リアルにすぐに損切して終了しました。

今でもかなりもったいない事だとは思っていますが、自分の危機管理能力が低かった事が原因だと思い、危機管理能力がレベルアップしたと思い込んでいます。
面白いエピソードがなく申し訳ございません(笑)

 

【過去30人の相談者の中で現在でも勝っている人は1人】

―――もし井上さんの前に「FXを努力無しに簡単に稼げると思っている人」がいたとしたら、その方へどのようなアドバイスをされますか?

井上さん

実際、私にFXをしたいと言ってくる人は結構いますし、相談に乗る事も多々あります。
かなり冷たい人間だとは思いますが、友達でも知人でも親戚でも私からのアドバイスはいつも決まっています。

「コツさえ掴めば簡単に稼げるし、おススメだよ。
実際、FXには稼がしてもらってるしね。」

と言っています。

相談してきた人の2.3割の人が実際にFXを簡単な気持ちで始めます。
人数でいえば、約30人の方がトレードをはじめましたが、20人ぐらいの方は1.2カ月でやめてしまいます。

FXを始める前に私がもの凄く簡単に勝てるという事を強調しているので、実際にトレードしてみて簡単ではない事を実感し、諦めたいう人がほとんどです。
それでも約10人程の方は半年から1年くらいは試行錯誤をしてトレードを続けていました。
毎月勝ったり負けたりを繰り返しながら負債を積み重ねて、最後は大きく勝負して負けて引退する人がほとんどです。

約30人の相談者の中で今現在も毎月勝っているという人は1人しかいません。

FXで負けている人は全体の約90%以上だとよく言われていますが、実際30人から相談を受けて1人しか勝てる人が残りませんでしたので、数値どおりなんだと思います。

最後に私が本当に言いたい事を書かせていただきたいと思います。

FXだけではなく、全ての事に繋がると私は実感しています。

FX,株、企業等、お金を稼ぐ方法というのはたくさんあります。
アフィリエイトもそうですし、情報商材、最近ではユーチューバーなんかもあります。
気付いていない人は少ないと思いますが、お金を稼いでいる人は必ず儲かる仕組みを構築しています。

何を始めるにしても、この儲かる仕組み作りを一番初めに作るべきです。
とりあえず何かを始めてみるとか、色々な事にたくさん手をだして儲かるものだけを残していくみたいな事をする方もいますが、絶対に一番初めは儲かる仕組み作りをして下さい。

確かにたくさん手をだしてヒットするモノがでてくる事はありますが、儲かる仕組み作りを最初に作っていないと、真似をされてあなたのアイデアを合法的に盗まれるだけではなく、あなたのアイデアなのにあなただけが儲からなくなってしまう事もあります。

それ以前に儲かる仕組みがしっかりとしていないと目標に向かって一直線に駆け抜けていく事も難しくなってきます。
何かトラブルがあっても仕組みがあやふやなので、解決できなくなってしまう事もあります。

儲かる仕組み作りという事がイマイチわからないという方は、本屋さんやネットを利用して勉強して下さい。

私はFXだろうと他の事でも、何かを始める前には儲かる仕組み作りを必ず作っています。
そして一番重要な事ですが、儲かる仕組みづくりというのは難しくありません。

あなたの勤務先でも儲かる仕組みはありますし、有名な企業の歴史等を調べてみてもその会社の儲かる仕組みというのは普通に書いています。
他の人の考えた儲かる仕組みをアレンジしたり、少し工夫するだけで儲かる仕組みは作れます。

FXとは全然関係ない事のように思えると思いますが、そういう考え方が必要だと私は思います。

 

―――井上さん、本日は貴重なコメントをいただき誠にありがとうございました。

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