三井住友銀行の千葉県松戸市にある出張所で、女性の元行員が顧客口座から計約4億円を着服した疑いがあるとして、6月に懲戒解雇されていたことが22日、関係者への取材で分かった。銀行は今年夏、千葉県警松戸署に相談し、県警が捜査を始めた。
関係者によると元行員は、出張所で預金の払い戻しなどをチェックできる立場にあった。客の印鑑を偽造して、7年間にわたって繰り返し口座から金を勝手に引き出していた疑いがある。
元行員は外国為替証拠金取引(FX)の損失を穴埋めするために着服を繰り返していたという。
銀行の広報部は「警察に通報し、行内でも事実関係を確認している。捜査中なので何も答えられない」としている。
産経ニュース 2016年12月22日掲載分
今回の事件は記事のとおり、顧客の印鑑を偽造し、口座から勝手に現金を引き出していた疑いがあるとされており、該当の女性行員は2016年6月に懲戒解雇処分を受けています。
印鑑が変わっている事に気が付いた顧客が銀行側に訴えたことで横領が発覚しており、その顧客には全額弁済されている事がわかっています。
犯行の動機は「FXの損失を穴埋めするため」とあり、7年間に渡り合計4億円もの金額を着服するに至ったことを考えると、FXトレードでは継続して損失を出し続けていたのかもしれません。
今回の事件で疑いのある元女性行員の情報は明らかにされておらず、その事に対し「男性なら本名をさらして女性は明らかにしないのはおかしいのではないか」との声も上がっていますが、実際には刑事事件として立件されていないという理由が有力です。
調べによると元行員は30代で、記事にもあるように預金の払い戻しなどをチェックできる立場にあった事からベテラン行員であったと考えられます。
事件のあった松戸支店新松戸出張所は比較的小さい支店なので、顧客らはその女性行員と深い面識があってもおかしくはありません。
普段利用している町の銀行行員がそのような事件を起こしたことで、近隣の利用客はかなりの不安を煽られたのではないでしょうか。
三井住友銀行と言えば、2016年10月に東京都大田区の大森支店で被害総額11億円の横領事件が発覚したばかりです。
今回の件について銀行の広報部が「捜査中なので何も答えられない」と述べていますが、事件をスクープとして報じた週刊誌は、「6月に行員を懲戒解雇しながらも12月現在未だ事実確認中であることは問題であり、もみ消しの可能性もある」と述べています。
銀行側の真意は定かではありませんが、確かに同じ年に同じ銀行で2度も事件が発覚してしまった事を考えると、もみ消しを企ててもおかしくありません。
4億円もの着服がありながらも数年間に渡り発覚しなかった事実に対しネット上では
「数万円程度なら着服している行員がたくさんいてもおかしくないのでは」と疑いの声が上がっており、銀行側の信用に大きな波紋が広がっています。
誰でも簡単に始めることのできるFXで、一個人がここまでの騒動を巻き起こした経緯を振り返ると、FXがもたらす大きな影響力とリスクが見て取れる事件だったと言えるのかもしれません。