偽名でカードローンを申し込もうとしたとして、大阪府警は9日、府警地域総務課巡査部長の村上聡容疑者(41)=京都市西京区=を詐欺未遂と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕し、発表した。「間違いない。外国為替証拠金取引(FX)などによる借金が数百万円あった」と供述しているという。 監察室によると、村上容疑者は非番だった6月26日夕、大阪市北区の銀行のローン契約機で、「田村聡」の偽名、うその生年月日と住所を記入し、ローン契約に使うローンカードをだまし取ろうとした疑いがある。審査したオペレーターが過去にも似た名前の警察官からの申し込みがあったため、不審に思い契約を断ったという。 村上容疑者は「昨年秋から偽名でローン契約を申し込んだ」と供述。府警は少なくとも数件の契約が成立して数百万円を借り、契約が成立しなかったことも数回あったとみている。 村上容疑者は、署員に職務質問の仕方を指導する担当だった。
朝日新聞 2015年7月9日掲載分
今回の事件の容疑者である村上聡氏は、偽造した健康保険証で他人になりすまし、ローン契約に使用するローンカードをだまし取るという、詐欺未遂と有印私文書偽造・同行使の容疑で逮捕されています。
記事のとおり、2015年6月25日午後に大阪市内の銀行ローン契約機でカードを詐取しようとしたとありますが、その後大阪府警に銀行側から情報提供があり、契約機の防犯カメラに村上氏とよく似た人物が映り込んでいたため、村上氏が捜査線上に浮かび上がったとのことです。
その後の調べによると、消費者金融と銀行の計3社でローンカード11枚を詐取、ATMから130回以上、計約1500万円を引き出していた事が明らかにされています。
当時容疑を認めた村上氏は「借金返済に行き詰ったため、架空の警察官になりすまし金を盗み取った」と供述しています。
監察官室の聴取によると、FXやバイナリーオプション取引に失敗し、その借金は数百万円に膨れ上がっていたとのことです。
村上氏は2014年9月8日、京都市内にあるローン契約機で、未成年の長男の名前を使い現金15万円を引き出していたことが分かり、2015年8月10日、再逮捕に至っています。
記事にもあるように村上氏は職務質問の仕方を指導する担当だったとのことですが、これは「職務質問指導員」という府警の中でもエリート的ポジションだそうです。
村上氏がいつの段階でFXによる借金を抱えていたのかは定かではありませんが、署員たちに対し日々どのような気持ちで指導をしていたのでしょうか。
村上氏には懲戒免職処分がくだされています。