無登録で外国為替証拠金取引(FX)への投資を持ちかけたとして、和歌山県警は2日、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで、投資勧誘会社「フローリッシュ・ジャパン」役員、高野真樹容疑者(42)=東京都江東区=と同社員、池宮寛師容疑者(24)=大阪市中央区=を逮捕した。高野容疑者は容疑を認めているが、池宮容疑者は否認している。
県警によると、同社は全国に約1500人の顧客を持ち、今年5月末までの1年間で約15億円を集金。FX取引に実体はなく、集めた現金の一部はそのまま顧客に配当していたとみられる。県警は詐欺容疑での立件も視野に捜査を進める。
逮捕容疑は今年4月、和歌山市内の喫茶店で、無職男性(79)に対し、国の登録を受けずに架空の会社名などを挙げ、「出資すればFX取引の収益配当に加え、毎月報酬が受け取れる」などと勧誘したとしている。
産経WEST 2014年12月2日掲載分
今回逮捕された高野真樹氏は、勧誘会社フローリッシュ・ジャパンの役員を務める以前に、株式会社アイルという会社で投資の勧誘を行っていたとの情報が寄せられています。
勧誘の際は「1口10万円で毎月配当がもらえる」のような謳い文句で、専門のトレーダーが顧客から集めた資金をFXで運用し、月に5~8000円ほどの配当金を分配するといった内容です。
新規加入者には「現在募集は締め切ったが、キャンセルが入りID枠が一人分空いた」と案内し、家族や親せきの加入も進めていたそうです。
実際にFXで運用していたかどうかは定かではありませんが、ネット上の口コミでは「お金が返ってこない」といった被害情報も寄せられています。
高野氏は2012年4月、社員たちを集め突如「会社解体」を告げ、香港へ移住したとの事です。
後任への置き土産として大阪市内に会社を作ったそうですが、現在その会社の正確な情報はありません。
その後フローリッシュ・ジャパンの無登録営業により逮捕されていますが、顧客を集める際は「FXは投資のプロがやる。さらに広告会社に登録すれば1口10万円の出資で月3000円の報酬がもらえる」と呼び掛けており、株式会社アイルの勧誘とほぼ同様の案内であることが分かります。
今回の事件は特別手が込んでいるとは言えないオーソドックスな手口だと言えますが、それでもフローリッシュ・ジャパンは1年間で1500人から15億円もの莫大な額を集金しています。
株式会社アイルでの集金額は明らかにされていませんが、社名を変え同様の手口で堂々と詐欺を繰り返す集団がいるという事実がはっきりとわかる事件だったのではないでしょうか。