常陽銀行は8日、下妻支店融資係の男性係長(46)が1億4千万円を着服していたと発表した。係長は失踪中だが、同行は7日付で懲戒解職処分とした。
同行によると、元係長は知手支店(神栖市)に勤務中の平成22年4月から今年8月まで、融資返済などの理由で預かった小切手を客に無断で払い戻すなどして1億4千万円を着服。着服金の一部で、別に着服した金額を補填(ほてん)したケースもあり、実際の損失額は5900万円になるという。
9月22日に元係長の妻から「夫が『お客さまのお金に手を付けて返せなくなった』と書き置きを残して失踪した」と下妻支店長に連絡があり発覚した。
元係長は着服金を外国為替証拠金取引(FX取引)の赤字の補填に充てていた。同行は下妻署に告訴する準備を進めている。
産経ニュース 2015年10月9日掲載分
常陽銀行の元行員、客の小切手横領して逮捕
常陽銀行の下妻市内の支店に勤務していた元行員が、顧客の小切手1900万円を勝手に換金し着服していたとして、業務上横領の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、常陽銀行下妻市支店にことし10月まで勤務していた元営業課係長で東京・板橋区の脇村修治容疑者(46)です。
警察の調べによりますと、脇村容疑者は下妻支店に勤務していた去年12月、下妻市内の法人から融資の返済として受け取った1900万円の小切手を勝手に換金し着服した、業務上横領の疑いが持たれています。
常陽銀行では、ことし10月に脇村容疑者を懲戒解雇し、先月11日に警察へ刑事告訴していました。警察は、脇村容疑者の認否を明らかにしていません。
警察では、さらに余罪があるとみて捜査を進めています。NHKニュース 2015年12月4日 報道より
逮捕された脇村修治氏は、記事にもあるように2010年2月からFX取引を始めており、取引での損失を補うために顧客の資金に手を出した可能性があると見られています。
また、着服を行った期間は2010年4月からであることが分かっており、FX取引開始から2ヶ月足らずで犯行に及んだ計算になります。
着服金を他の顧客からの着服で穴埋めしながら発覚を免れていた脇村氏ですが、ついに損失を補いきれなくなったのか、2015年9月に「私のことは忘れてください」と妻宛の置き手紙を残し失踪しています。
結局は失踪から約2ヶ月半後の2015年12月に、都内の月極賃貸マンションで発見され逮捕されました。
今回の事件がFX取引の損失を補うための犯行であったとすれば、取引開始直後からすでに大きな損失を出していたのかもしれません。
合計1億4000万円もの金額を着服していることから、取引開始から5年間以上に渡ってFX取引で慢性的に負けを繰り返していた可能性も考えられます。
脇村氏の犯行動機は定かではありませんが、もしFX取引が事件の引き金となっていたなら、着服を繰り返し、最終的には家族を残して失踪してしまうほどの精神状態に追い込む危険性がFXにはあるのかもしれません。