外国為替証拠金(FX)取引などの名目で一般投資家らから不正に資金を集めたとして、愛知県警生活経済課などは3日、名古屋市熱田区六野1、コンサルタント会社「プレジデント・トラスト」社長、安藤光志容疑者(37)を出資法違反(預かり金の禁止)容疑で逮捕した。県警によると、安藤容疑者は「金を借りていただけ」と否認しているという。
県警によると、2009年1月から昨年7月までの間、全国12都府県の計435人から約25億円を集めていたとみられる。うち、約16億円を実際に証券会社などに委託して運用。しかし、昨年3月ごろには配当が滞るようになり、県警は自転車操業状態に陥ったとみている。
逮捕容疑は11年1~6月、法律に定められた業者ではないにもかかわらず、名古屋市守山区の男性会社員(28)ら2人に毎月の配当と元本保証を約束するなどし、1000万円の投資資金を集めていた疑い。
日本経済新聞 2012年10月3日掲載分
捜査関係者の調べにより、安藤光志氏はSNSを使い出資者を増やしていたことが分かっています。
知人の紹介などで投資家を集め、SNSに「この人にお金を預ければ間違いない」などと書き込み評判を集めていたそうです。
安藤氏の暮らしぶりは豪華なもので、常に高級品を身に着け、財布にも絶えずたくさんの現金を入れており「お金を預けてくれたらすぐにこんな暮らしができます」と投資を勧めたといいます。
さらに出資者に対して安藤氏は「逃げも隠れもしない」などと話し、自分の住民票や免許証のコピーを手渡して信用させていたとの事です。
2013年3月5日に安藤氏の判決公判が名古屋地裁で行われ、安藤氏には懲役2年、執行猶予4年の判決が言い渡されました。
執行猶予を付けた理由として「1千万余りが返金されており、今後も返金を続けていくと述べている」との意向を考慮した判断であるといいます。
今回の事件で全国の435人から25億円を集めたと報じられていますが、webでの悩み相談サイトにも「安藤氏に渡したお金が返ってこない」といった、被害に遭った方のリアルな投稿が寄せられています。
今回被害に遭った方は、有能な投資家を装った安藤氏に「元本は保証する」と投資を勧められ、うっかり信用してしまった方がほとんどですが、報道を見たネットユーザーたちは、
「元本保証なんて詐欺以外で遣うことのない謳い文句」
「元本を保証できるなら個人から出資を募る必要が無い」といった意見が寄せられています。
優れた投資家であれば、FXで運用する資金を自分に投資するよう勧めてくることはほぼありません。
そもそもこのような儲け話自体が回ってくることもまずありえないので、投資話の勧誘には注意が必要です。