新聞・雑誌・ニュース記事

FX損失穴埋めに7億円横領、元部長に実刑 山形地裁

投稿日:2011年9月15日 更新日:

山形市の建設資材会社から約7億円を着服したとして、業務上横領罪に問われた山形市鈴川町2、元取締役経理部長、塩野正孝被告(35)に、山形地裁は14日、懲役8年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。

矢数昌雄裁判長は判決理由で「会社の預金残高を改ざんするなど計画的で巧妙な犯行だが、全財産の538万円を弁償に充てている」と述べた。

判決によると、塩野被告は数年前から始めた外国為替証拠金取引(FX)による損失を穴埋めするため、昨年1月から今年3月にかけて、同社の普通預金口座から現金約7億2千万円を引き出していた。

日本経済新聞 2011年9月14日掲載分

塩野氏は勤め先である建築資材販売会社の「三條物産」で預金口座や帳簿の管理を担当しており、その立場を利用して計74回、額にして7億2450万円もの莫大な金を横領しています。

山形地裁は塩野氏に対し「あらかじめ代表者印が押された払戻請求書を携帯したり、預金残高を改ざんする工作を行ったりするなど、背信性が高く計画的で巧妙な犯行」と厳しく断罪しています。

調べによると塩野氏は逮捕される10年ほど前から自己資金で投資をしており、FX取引を始めたのは数年前からだと言います。
記事では2010年1月から2011年3月にかけて会社の金に手を出していたとありますが、FX取引を始めた正確な時期は明らかにされていません。

いずれにせよ決して短くはない投資歴を持ちながら、塩野氏はFXを始めたことをきっかけに着服を繰り返すはめになった可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
以前はどのような投資をしていたのか定かではありませんが、何年投資を経験してもFXには全く歯が立たないという為替の厳しい現実が想像できます。

結果的に莫大な金額を着服した塩野氏は、最終的に一発逆転にかけたギャンブルのように、後には引けない感覚に陥っていたのかもしれません。

 

-新聞・雑誌・ニュース記事
-, ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

無登録の業者100億円超の資金集める

札幌市の投資関連会社 「オール・イン」 が、金融庁に無登録で外国為替証拠金取引を行った上で、月30~40%の高配当をうたって全国約2万人の 会員から総額100億円超の巨額資金を集めていた疑いがあること …

no image

1億1千万円、勤務先で横領容疑=FX取引に、元経理担当を逮捕―京都府警

会社の現金計約1億1000万円を着服し、外国為替証拠金取引(FX取引)に使ったとして、京都府警南署は27日、業務上横 領の疑いで大阪市城東区新喜多、元会社員鈴木基起被告(44)を逮捕、追送検したと発表 …

no image

豪ドルのナンピンで強制ロスカット

FX取引の豪ドル買いで、痛い思いをしたのは山井美江さん(仮名・40代)。「ナンピン買いで、安易に取引量を膨らませてしまった」とため息だ。 2014年にFXを始めた当初は、円安の波に乗って利益が出た。強 …

no image

勤務中に株取引 税務署員を懲戒処分 4年間で3千回以上

関東信越国税局は、勤務時間中に約4年間で計3千回以上、株取引をしたとして、県内の税務署に勤務する上席国税調査官の男性(58)を13日付で減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。 同局によると、平成2 …

no image

大王製紙 井川会長84億円 FXに使い損しました

大王製紙の井川会長(47)が、大王製紙の子会社の数社から84億円に上る借金をしていたことが、子会社幹部からのタレ込みで表面化。会長は辞任したが、当問題について、特別背任容疑で東京特捜が動いている。大王 …